■ビジターセンターの設立目的と概要
ビジターセンター(博物展示施設)は、国立公園や国定公園を訪れる利用者に対し、その公園の自然や人文について分かりやすく展示解説するとともに、利用指導や案内を行い、自然保護思想の高揚を図るための中心施設です。
妙高高原ビジターセンターでは、妙高の生息動物や植物や地形・地質などの自然に関する知識、あるいは、その地域の文化や歴史、くらしについて興味をもって理解できるよう、ジオラマや模型、写真パネル、標本、映像などにより分かりやすく展示解説しています。
ビジターセンターは公設、私設を問わず、国立公園に88ヶ所、国定公園に23ヶ所設置されています。ここで得た知識や情報を手に、大自然のなかにくりだしてみよう!
■妙高戸隠連山国立公園
(指定日:平成27年3月27日)
妙高戸隠連山国立公園は、新潟、長野の2県の県境に位置し、妙高市・糸魚川市・長野市・小谷村・信濃町・飯綱町の6市町村にまたがっています。
39,772ヘクタールと面積は小さいながらも個性的な山容の山々が密集し、山麓に点在する高原や、野尻湖等の湖沼が一体となった独特の景観が大きな魅力です。妙高高原ビジターセンターのあるこの妙高地域では、別名「越後富士」とも呼ばれる標高2454mの『妙高山』がこの地域の核となる代表的な山です。
外輪山が取り巻く均整のとれた山容は気品と量感を感じさせる名峰、古くから山岳信仰の対象でした。
センターのとなりにある『いもり池』では、妙高山の姿を最も美しく見ることのできるスポットとして、また周辺に広がる湿原にはミズバショウをはじめ春から秋までたくさんの花が途切れることなく次々咲き乱れ妙高を訪れる方が必ず立ち寄る人気の場所です。
そしてもう一つ、妙高地域で非常に重要な山が、妙高山のとなりにある『火打山』です。
ゴツゴツした男性的な前述の妙高山に比べ、こちらはゆったりとした山腹の女性的な山容で、その標高は2462m、新潟県の最高峰小蓮華山に次ぐ標高を誇ります。国の天然記念物「ライチョウ」の最北端・最小群の生息地で、雷鳥平とつけられた稜線ではしばしばその姿を見ることができます。
また花の山としても名高く、高谷池や天狗の庭などの高層湿原を中心にハクサンコザクラやミョウコウトリカブトなど高山植物の素晴らしい群落をみることができます。
何度登っても飽きることのない懐の深さと登山者を魅了するおおらかさを持った火打山。
その美しさは「天上の楽園」とも比喩されています。
利用者は、富士箱根伊豆、瀬戸内海に次いで多く、登山やハイキング、キャンプ、スキー、林間学校、温泉など季節を問わず利用されています。
■施設とご利用案内
入館料:無料
開館時間:9:00~17:00
休館日:4月~11月 無休(臨時休館あり)
12月~3月 毎週水曜日・木曜日
年末年始 12月29日~1月3日
駐車場台数:普通車100台 大型車6台(駐車料金は無料)
交通アクセス:アクセスはココをクリック!
所在地:新潟県妙高市関川2248-4
事業主体:新潟県(環境省国立公園施設整備補助事業)
建築面積:401.05㎡(鉄筋コンクリート平屋)
敷地面積:6965.0㎡
管理及び運営:妙高市観光協会
竣工開館:昭和58年7月21日
■館内案内
1 | 館内案内 | 15 | 妙高高原のスキー |
2 | いもりの水槽 | 16 | 笹ヶ峰 |
3 | 森のオーケストラ | 17 | 関川源流 |
4 | 国立公園案内 | 18 | 池の平 |
5 | 掲示板 | 19 | いもり池 |
6 | 山の説明板 | 20 | 自然の概要と地形模型 |
7 | 妙高山の石 | 21 | いもり池周辺の鳥 |
8 | 妙高山 | 22 | のぞいてみよう |
9 | 火打山 | 23 | あててみよう |
10 | 焼山 | 24 | さわってみよう |
11 | 赤倉・関・燕 | 25 | ブナの森と動物たち(剥製) |
12 | 妙高高原の歴史 | 26 | 蝶の標本 |
13 | 妙高高原の温泉 | 27 | いろいろな木の実 |
14 | 雪とくらし |
妙高高原ビジターセンターは自由に見学できる施設ですが、館内案内をご希望の方には、当館館長・副館長がご案内させていただきます。
■展示コーナーのご案内
●妙高戸隠連山国立公園と妙高の山々
国立公園は、日本を代表する自然の風景地として、自然公園法に基づいて国が指定するものです。妙高戸隠連山国立公園は、新潟・長野の2県にまたがる国立公園です。妙高高原はこの国立公園内にあります。
妙高山・火打山・焼山を妙高三山、あるいは頚城三山と呼ばれています。
妙高山は標高2,454mの二重式火山で、その裾野には温泉や渓流、湖・沼などを数多く見ることができます。
火打山は、妙高三山中最も高く、非火山性の山で、ハイマツの群落や美しい花々などが見られ、活火山の焼山は時折水蒸気爆発を繰りかえしています。
また、妙高山の外輪山のふもとにある赤倉・関・燕地区には火山活動の後がうかがえる溶岩などの露頭を見ることができ、さらに、湖や高原盆地、渓流などが多く見られる笹ヶ峰や関川渓流などは生物の宝庫となっています。(火山弾や岩石の標本、動植物、美しい山岳写真をわかりやすく展示してあるコナーです)
●妙高高原の自然と地形を知る
1/9250に縮小した地形のジオラマと27インチのVTRで、妙高山や火打山などの地形や自然をわかりやすく知ることができるコーナーです。
VTRでは、普段見ることができない山の全容を空撮によって詳細に知ることができ、登山や旅の続きに役立てていただけます。
●妙高高原の自然と人とのかかわり
妙高高原は高原型気候で、夏は涼しく冬は多くの雪が降ります。古くから、火山地帯の恩恵を受け、温泉が豊富に出て、湯治場、宿場町として栄えてきました。また、日本海に面しているため、冬の雪はとくに多く、人と雪との戦いなど雪国の昔のくらしの様子をパネルや道具などで知ることができます。
一方、わが国スキーの発祥の地として、スキー場の開発やスキーとの関わり、歴史について詳しく知ることができるコーナーです。
●自然観察に役立つコーナー
このコーナーでは、自然と動植物との結びつきを、標本や写真、グラフィックパネルや録音などで実感できるように、さわったり、のぞいたり、あててみたり、また聞いてみたりして、自然を居ながらにして体験できるようにしたコーナーです。
●冬は雪上自然観察の基地として利用
「雪と自然」それは白の幻想的な世界です。歩くスキーやスノーシューは、雪の世界の素晴らしさに直接触れることができます。白樺林の枝々を渡る小鳥やホンドリス、ノウサギなどの野生生物とのドラマチックな出会いがある場所です。
自然の中を、歩くスキーやスノーシューで楽しみ自然界を観察してみましょう。素晴らしい景色を心に映し、冬の動物たちに出会いながら、自然を味わう醍醐味や観察方法などを紹介しています。